守るだけで良かった筈なのに




溢れてくる想いを止める事が出来ない




貴方と一つになれたなら




俺はどんなに幸せだろうか




















越えられた壁




















眞魔国第二十七代魔王陛下こと渋谷有利は本日も、
その家臣であるウェラー卿コンラートを困らせていた。


困らせているといっても、迷惑をかけている訳ではない。
いや…迷惑と言えば迷惑なのだが、コンラッドはそんな事で困ったりはしない。


一体何が如何なっているのか…
それは有利の婚約者であるフォンビーレフェルト卿ヴォルフラムに原因がある。


婚約者としては当然の行動かもしれないのだが、
嫌がる有利の言葉に耳を傾ける事なく、
ヴォルフラムは有利の私室に住み込んでしまっているのである。


いくら有利が「出て行け。」「自分の部屋があるだろう!」と怒鳴ろうと、
我が侭プーはそんな意見を聞こうともしない。
右の耳から入って、左の耳から出て行くとよく言うが…耳に入ってすらいない。


そんな生活に痺れを切らした有利はコンラッドの私室へと逃げ込んでいたのである。
性格の良いコンラッドは尋ねてきた有利をすんなりと招き入れた。
最も、コンラッドが好意を寄せている有利の行動を拒否するなんて事はない。


「たっく…俺の身にもなれってんだ。」

「そうですね。」


有利は部屋に尋ねてから、婚約者の愚痴ばかりを語っていた。
嫌がっているけれど、口にするのはヴォルフラムの事ばかり。
コンラッドは多少なりとも焼餅を焼きながら耳を傾けていた。


「あいつは母親に似て、愛に一途なんですよ。」

「一途ねぇ…一途過ぎるのも困り者だな。」


有利は苦笑しながら呟いた。

「あ〜ぁ…今日もヴォルフと一緒の布団で寝なきゃなんねぇのか…」

「まぁ、そう嫌がらずに。」


コンラッドは笑いながら有利の肩を叩いた。
有利は少しムスッとした様子で立ち上がり「風呂借りるな。」と一言、
風呂場へと姿を消していった。





++++++





風呂から上がった有利はおっさん顔負けの姿で戻ってきた。
バスローブを身に纏い肩にタオルをかけている。
そして「あー気持ちいぃーっ。」なんて言っている。

コンラッドは多少溜息を付き、まだ髪の塗れる有利の頭を、
バスタオルでガシガシと拭き始めた。

「ユーリ、そんな格好してると風邪をひきますよ?」

「大丈夫だってー。」


こんな事言ってるが、実は有利の為なんかではなかった。
風呂上りで蒸気した頬、水の滴る髪、極めつけはバスローブ。
コンラッドの理性は今、細い線の張られている状態である。
何かあればすぐにでも切れてしまいそうだ。


「さっき思ったんだけどさ…」

有利はふと呟いた。それに応えるかのように「何ですか?」と相槌を入れる。

「何もヴォルフの居る部屋に戻らなくてもいいんだよな?」

「どういう事ですか?」

「だからさ…俺が他の場所で寝ればいいんだよ。」

「えぇ…」

「という事で…泊めてくれない?」


有利はそこまで言うと、コンラッドを振り向き、輝く瞳で見つめ上げた。
双黒の、しかも愛する物にそんな目で見つめられたら堪らない。
極めつけに「駄目?」なんて首を傾げている。
可愛い!!可愛すぎる!!
ブツン――
正に何かが切れる音がした。
これには、流石のコンラッドの理性も耐えられなかったようだ。


「ユーリ。」


「何?」と口を開こうとした有利だが、
突然世界がフワッと逆転してしまったので吃驚した。
どうやら有利はコンラッドに押し倒されてしまったようだ。
しかし、純粋な有利はコンラッドが貧血でも起こしたのかな?
なんて考えで声をかける。何処まで馬鹿なんだろう。


「コンラッド?大丈夫か?」

「…ユーリ、すみません。」

「へ?」


有利の唇は、コンラッドの唇によって塞がれてしまった。
突然の出来事に吃驚する有利。
逃げようにも後ろはベッドだし、コンラッドの力には適わない。
息も苦しくなり、息継ぎをする為に口を開く。
コンラッドはその隙を逃すことなく、己の舌を侵入させた。
逃げ回る有利の舌を追いかけ、絡め取る。


「っふ…ン。」


有利の瞳からは生理的な涙が浮かんでいる。


やっとのことで唇を開放し、妖しい銀の糸が姿を見せる。
肩を苦しそうに上下させながらコンラッドを見上げる有利。
双黒だからであろうか?何とも妖しい。


そんな有利に誘われるかのように首筋に舌を這わせる。
そしてバスローブへと手を侵入させ、少し硬くなった物を撫でた。


「少し濡れてますよ?」

「ぃゃ…」


コンラッドの言葉に有利は顔を赤くさせた。
有利はどうにか今の状況を回避しようと退くが、
当のコンラッドは逃がしてはくれない。そんな有利を可愛いと思い、
突起した物を撫でていた手を更に下ろす。


「んぁ…ちょ…っ…待てって…あ。」


コンラッドの指先は優しく、そしていやらしい音を奏でながら愛でている。
有利はその一つ一つの動作が死ぬほど恥ずかしいのか懸命に顔を隠している。
きっと、十六年の人生の中でこんな事をするのは初めてであろう。


「ユーリ、顔を隠さないで。」

「そんなこと…」


耳を優しくかじりながら、囁かれた有利はブルっと身震いをする。
コンラッドはそんな様子にクスッと笑みを漏らしながら「大丈夫。」と、
その行為を止める事なく、手を進めていった。


有利も漸く観念したのか、力を抜きコンラッドの肩に腕を回した。
その行動を不思議に思ったのかコンラッドは手を止めて問うた。


「ユーリ?」

「…やっ…優しくしろよなっ!!」


コンラッドはその言葉に呆気に取られたが、
自分の想いを受け止めてくれた有利に嬉しくなった。


「仰せのままに、魔王陛下。」

「陛下って言うなっ!」


こうして二人は夜の長い時間を、
お互いに身体を求め合うように幸せな時間を過ごした。
ヴォルフラムには悪いが、カップル成立と言う事だ。


コンラッドの理性が切れた今日この日、不器用な二人の壁は越えられた。





後書き

コンユ15禁ですが…自分と一生懸命葛藤しつつ…負けましたorz
もうこれ以上書けませんよぉ(涙)なんでこんなに恥ずかしいんだ!?
コンラッドが優しいからか!?あぁそうだ!!!次は鬼畜で!!(殴
何かいいところで終わってますが…入れたい台詞を入れれたので満足。
あ゛ぁ゛…コンラッドに囁かれたその日にゃ私は死にますので!!

素材:戦場に猫