箱の中から視た世界-2-
どうも。多分善良な市民に拾われた猫です。
いや、猫って名前じゃないんですけど、あの綺麗な人に猫と呼ばれたので・・・
だから自分のことを猫と証することにしますね。
僕は今お風呂に入れと言われたのでお風呂に入ろうと浴室に向かったのです。
向かったのですが良く考えて?僕はさっきこの部屋で目覚めたばかりです。
だから、僕が今どこにいて(多分寝室)どこが風呂場なのか分かりません。
廊下に出て「うーん」と唸っていると後ろのドアが開きました。
そして迷惑そうな顔をする綺麗な人。
ここでもう一つ気づいたこと・・・僕この人の名前を知りません。
そして確か・・・絶対?この人も僕の名前を知りません。
なんて呼べばいいのか分からないなーっと。うーん・・・
取り合えず・・・
「あのー天使さん・・・僕あなたの名前知りません。あとですね・・・」
「(まだ寝ぼけてる?)咬み殺されたいの?」
「いえ・・・そうじゃなくて・・・名前教えてください。」
「雲雀恭弥だよ。君は猫でいいよね?」
あれーあれーあれーやっぱり僕猫なんですか?猫なんですね。
もう猫でいいですよ。別に僕は僕の名前に愛着なんて持ってないからね。
うん。寧ろあんな名前大嫌いだ。あんな親が何度も何度も呼んだ名前なんて。
「猫でいいです。」
「(変なの拾っちゃったかな)やっぱりマゾなんだね。」
「もう何でもいいです。ところでお風呂場は何処でしょう?」
「(捨ててこようか・・・)」
あ、なんか雲雀さんが哀れみの篭った目で何か訴えてます。
どうしよう。僕を拾ってしまったことを凄く後悔しているような気が・・・
でもね、勘違いしないで下さい。僕は変なんじゃないですよ??
僕と雲雀さんは会って少ししか時間を共に過していないんです。
だから雲雀さんが僕の性格を知らなくても仕方が無いですよね。
そうそう。だから僕は悪くないからそんな目で見ないでー!!!!
「あの・・・お風呂・・・」
「あぁ、そこの角を曲がったところだよ。」
「有難う御座います。」
教えて貰ったので僕はお風呂に入ることにした。
浴室に入ると既に浴槽にお湯が張ってあって凄く温かかった。
でも、新しいお湯に僕が一番に入るのはちょっと・・・駄目な気がね・・・
という事で僕はさっとシャワーを浴びてさっさと浴室から出た。
出たのはいいけど・・・こんな真っ白なタオル使ってもいいのかなー?
うーん。だって僕は所詮猫なんだし・・・まぁ乾くまで待っておこうかな。
と思ったらまた扉が開きました。何でかなー?
僕がお風呂入ってるってこの人知ってますよね?知ってるよね!?
という事は態とですか!?!?
「なんでそんなにビショビショなの。しかもさっき入ったばかりだよね?」
「えーと・・・新しいお湯に入るのはおこがましいかなーと。」
「・・・お風呂にも一人で入れないのかい?僕が入れてあげようか?」
「あーえーう?遠慮します。」
「遠慮しなくてもいいよ。僕は優しいからね。」
うーん・・・とか言いつつ雲雀さんの顔が凄く笑っているんですけど?
しかもその笑顔は美人なだけに凄く綺麗なんですけどー?どー?
なんか真っ黒なんですよーどーしーてー???
あ、あれ?なんかこうやって自問自答?してるとだんだん雲雀さんが・・・
あの・・・近づいてきて・・・しまう・・・あれあれ???
「細いね。それにこの痣何なの?やっぱりマゾ?」
「好きで痣作る人は居ないと思うんですけど・・・それよりくすぐったいです。」
「ワォ、感じてるの?」
「いや、誰もそんなこと言ってないんですけど!!」
「そう、まぁいいや。さっさと入りなよ。次躊躇うと・・・」
「はーい!!僕ちゃんと入りまーす!!」
「(馬鹿じゃないの)」
僕は小さい子供のように手を大きく上げて再び浴室へ戻った。
次はちゃんとお湯に使って(高そうな)シャンプーを使いました。
そして真っ白で柔らかいタオルで身体を拭いた。
なんだかちょっぴり幸せで涙が出てきそうになったけど我慢した。
可哀想な猫は、善良な市民に心から感謝したのである。