箱の中から視た世界-3-
どうも。お風呂上りでホクホクの猫です。
今浴室からリビングへと移動中であります。何か広いよこの家。
家つか・・・マンションなのですよ?広いなー。
しかも何か生活しているのがどうも一人な気がします。
だって歯ブラシが一本しかなかったんだもん。
リビングに行くとテーブルに温かいココアがありました。
そして眼鏡をかけて小説を読んでいる雲雀さん。
聞いて下さい。何故か今トキメイテしまいましたよ?
なんかこうキュンって・・・わーわー格好いいなー!!!
違う!何だろう?綺麗なの、凄く!でも格好いいの!!!
「雲雀さん格好いいです!!」
「(この子また急に何言い出すの?)座りなよ。」
「あ、はい。」
「おどおどしてないでそのココア飲みなよ。」
「雲雀さん優しいですね。」
「(・・・可愛い)」
僕はにっこり微笑んで(そりゃもう心の底から)、ココアを飲んだ。
ココアなんて久しぶりに飲んだ気がするけど気のせいじゃない。
久しぶりのココアは本当に温かくて、心が和んだ。
駄目だなー。こんな些細なことで感動してたら変に思われるじゃん。
ほら、今雲雀さんと目が合ったのに逸らされちゃったよ。
しかも物凄い勢いで。何でかなー?僕嫌われちゃったのかなぁー?
「雲雀さーん、僕出て行ったほうがいいです?」
「急に何言い出すの。」
「だって・・・あの、その・・・見ず知らずの人にこんなにしてもらって・・・」
あ、あれ?雲雀さんが物凄く深い溜息を吐いていますよ。
そして目が呆れてる。うー僕そういう顔見たくないですよ。
そんな顔嫌って程見てきましたし、雲雀さんには笑って欲しいです。
だって凄い綺麗なんだもん。
「ねぇ、君はもう僕に拾われているの。分かる?」
「えっと・・・僕本当に猫なんですか?」
「だから君はもう僕のもの。分かったら黙ってココア飲んでなよ。」
「はい・・・」
なんだろ、なんか・・・なんて言うの?切ないっていうの?
胸がキューンって・・・さっきから本当に僕泣きそうなんですけど。
うん・・・間違った。泣きそうなんじゃない。もう泣いてる。
本当に分からないけど・・・嬉しくて嬉しくて・・・
寄せ付けない言葉じゃなくて、否定の言葉じゃなくて・・・
僕を受け入れてくれる言葉なんだよね?
会って間もないのに・・・僕が誰かも分からないのに・・・
何も聞かないでいてくれる。さっきだって本当は痣のこと・・・
知りたかったと思うのに・・・どうしてこんなに優しいのかな?
僕まだ居てもいいの?
「何泣いてるの?泣き止まないと咬み殺すよ。」
「うぅ・・・あとちょっと泣きます。」
「(一体何だっていうのさ・・・)」
「雲雀さ・・・」
「何?(グチャグチャにしたいな・・・)」
「後で僕全部話し・・・ますね・・・」
「そう(別に何も言わなくていいのに)」
僕が泣いている間雲雀さんは何も言わずに小説を読んでいた。
でもたまに僕のことを気にして視線を向けてくれるのが嬉しかった。
雨は上がり、捨て猫の心はふわふわと温かくなっていった。