今日も平凡で何も変わらない日になると思っていた。
それなのにお前はどうして俺の歯車を狂わすのか。
腹が立って仕方がねぇけど、
やっぱり俺はお前の事嫌いになんてなれねぇんだよな。
だって、
お前は今俺の一番のお気に入りだから!
俺も㋮のつく異界人! -01-
退屈で眠くなる授業が終わって、やっと帰れると思ったのに、
どうして俺は職員室なんて場所に居て、教師に説教されなきゃならん!?
まぁな、事の発端は俺だよ?あぁ俺だ…しかし…しかしだな!!
目の前にいる教師はくどい!!くどすぎる!!!
同じ事を何度も何度も繰り返しやがって…いい加減切れそうだ。
折角可愛い可愛いゆーちゃんと帰る約束してるのに…待たせちゃ悪いだろ!
「おい、!!聞いているのか!?」
「ん?聞いてますよ?四回目の説教。」
俺がニッと挑発的な笑みを浮かべると、
教師はデスクに片肘をつき盛大な溜息を漏らした。
「全く、お前は何処まで自由なんだ。」
「ん〜大地ほど広大に。」
真面目な顔で冗談交じりに言ってやると、
諦めが付いたのかやっとの事で開放してくれた。
ふむ、新記録達成だな。
昨日は確か二十分説教されただろ…今日は三十五分だ。
やったね俺。
って、こんなに呑気にしている場合ではない。
急がないとゆーちゃんを待たせてある。
昨日も説教で待たせたからなぁ…もしかしたら怒ってるかも。
いや、でもゆーちゃんは怒った顔も可愛いからな。
俺って超特してるじゃん。
「ゆーぅちゃん、お待たせぇ〜♪」
「遅いぞ!!一体何分待たせるんだ?」
「だって教師がしつこくってさ?」
「が悪いんだろ?」
「んー?だって眠ぃもんは仕方がない!!」
「はいはい。いいから帰りますよっと。」
座っていた机からピョコンと飛び降りるゆーちゃん…
可愛すぎる…お前は小動物か????
その少し膨らんだほっぺもまた可愛い。
「何ニヤけてんだよ?」
「いやぁ〜流石ゆーちゃん。可愛いなと思ってさ。」
「気色悪ぃ事言ってんなよ。そういうの彼女に言ってやれば?」
「俺、女興味ないし。」
お、いい反応だ。吃驚してるな、まぁ無理もないか。
高校生にもなれば女の子の一人や二人、興味ない筈が無いもんな。
しかし、唖然とするゆーちゃんもこれまた可愛いわけで。
「じゃ…じゃあ男は?」
流石ゆーちゃんそう来るか!
でも明からさまに「ありえません」って顔してるよな。
何だよ「冗談じゃない」とでも言って欲しいのか?
だが残念な事に俺はどっちかってと男の方が好きだな。
うん。女なんて面倒くさいし。
「…?」
「んあ?男?好きだよ?」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
「何だよ?」
「いや、だってそんなにカッコいいのにさ。」
しょんぼりしながら言うなよ。お前は十分に可愛いから。
まぁそれも男としてはどうなの?って感じだと思うが…
一部の女子からは母性本能をくすぐられるとか思われてそうだし。
「だってウザくね?」
「俺にはチヤホヤされて輝いて見えるね。」
輝いてる…ね。
俺にとっては皆つまらない物なんだよ。上辺ばかり気にして。
何も本当の事は言ってない様に思えてくる。
でもゆーちゃんだけは、有利だけは何故か違ったんだ。
素直で明るくて、今の奴等には持っていないような何かを持っている。
そして、本当に何故だか分からないが懐かしい感じがする。
「俺には有利が居てくれれば良いんだよ。」
俺がそう言うと有利はきょとんとした面持ちになり、首をかしげた。
そんな有利を見て笑ってしまった。
俺の退屈を消し去ってくれる彼にしか見せない一面だ。
そうして俺と有利は教室を後にした。
+++++
帰る途中ゆーちゃんは弾丸の如く喋りまくっていた。
中学までは野球部だったとか、高校入ってからは剣道かな?とか。
野球と剣道って全然違うじゃん、という心の突っ込みはほって置いて、
ゆーちゃんに憧れの先輩が居たのが吃驚だ。
確か剣道部にカッコいいやつなんて…
居ないよな…ナルシじゃないが俺の方がカッコいいな。
って、さっきの事話すチャンスを与えてくれない気か…やるなゆーちゃん。
だが俺の方が一手上な事を教えてやらねば。
「俺さ、夢を見るんだよね。同じ夢じゃないけど、登場人物は一緒なんだよ。」
「何?」
「俺が男好きな理由ね。」
「あぁ。」
「でさ、その夢に出てくる女の人の目線で話が進むんだわ。」
「夢で女なの?」
「そう。んでいっつも隣に男の人が居てさ、
そいつと居る時は笑ってるんだ。多分好きなんだよな・・・
けど、一人で居る時はいつも悲しそうに泣いてるんだよ。」
「何で泣いてるんだ?」
ゆーちゃんは自分がそうなったと想定して聞いているのか、悲しそうだ。
毎回思うのだが何でこいつはこんなに優しいのだろうか?
おかしな奴だな。
「その隣に居る男にはさ、好きな奴が居たんだよ。
だから悲しくて泣いてたんだよ。
でもそんなのどうすることも出来ないよな。結構複雑なんだよ。」
「例えば?」
「隣に居る男が好きな女には婚約者が居るんだよ。
その婚約者も美形なんだよな〜結構ガッチリしてたと思う。」
「目線の女の人は?」
「美人だよぜ〜?あと好きな奴もすっげー優しそうでカッコ良くってさ。」
「まさか!!」
何でそういう所だけ感がいいのかな?
俺が分かりやすく説明しているせいもあるのだろうが…
「そうだよ。俺そいつの事好きになっちまったんだ。」
「でも夢の中の話じゃあ?」
「だから俺男と付き合ってるじゃん?知らない?」
「それらしい噂は…」
可愛いゆーちゃんは何だかゲンナリしている。
友達がホモなのがそんなに嫌なのか…まだましな反応だと思うが。
俺は悲しいぞ!!!っていい所でゆーちゃんと分かれる道だしさ。
明日大丈夫かなぁ?ゆーちゃんだし大丈夫だよな?大丈夫じゃないと死ぬ。
「まぁそういうわけ、じゃあ明日な。」
「あ!!」
半ば無理やりゆーちゃんに手を振り、一人自転車をこいで行った。
が、分かれて間も無く、
俺はゆーちゃんに借りていた漫画を返し忘れていたのに気が付いた。
流石は俺だ、物忘れが激しい。若いから直ぐに思い出すがな。
と言う事で引き返して行くとゆーちゃんは公園に居た。
何やらヤバ気な様子だ。
俺の横を通り過ぎていくエリート校の制服を纏った少年。
ははぁ〜ん、ゆーちゃんが相手にしているのは見るからにヤンキー。
人を見かけで判断するのはいけない事だが今回ばかりは…
俺は正義感の強いゆーちゃんに心で拍手を送り、
溜息をついて公園に入っていった。
全くゆちゃーんといると飽きるという事がないな。
後書き
案外スラスラと執筆する事が出来ました。駄文だけどね?
まるマシリーズは目線有利で書かれているので、それ風にしました。
分かると思いますが空野目線ですね。管理人はこの方が書きやすいのです。
と、頑張って連載させていきますのでよろしくお願い致します。
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10minutes+