否、待て…
冷静に考えてみるべきか…
さっきまで俺はトイレに居たよな…
そんでもって…
あぁヤバイ…俺の頭もそろそろ限界なのか?
それともこれは有利の仕業なのか…
俺も㋮のつく異界人! -02-
それは数時間前の事だった。
女子トイレに連行されてしまったゆーちゃんを助けるため、
俺は自転車を降りて、ゆーちゃんの許へと駆けつけた。
一つの女子トイレの個室の前に図体のでかい男の後姿が二つ。
所で俺の可愛いゆーちゃんは何処へ?
まさか一昔前のフリョーみたいなことしてくれちゃってる訳…
あるのね…
ゆーちゃんは二人のヤンキーに頭を鷲掴みされて叫んでいる。
必死の抵抗も虚しく今にも便器へと頭を突っ込まれてしまいそうだ。
俺は軽く溜息をつき、ヤンキーへと近づいていった。
「オイ!そこの二人。」
俺が呼ぶとヤンキーは一斉に此方を向き睨みつけてくる。
ゆーちゃんは俺が来た事が嬉しかったのか歓喜の声を苦しげに上げている。
「あぁ?何だ?文句でもあんのか?」
「文句も何も、俺の友達離せよ。大体なんでトイレな訳?」
お前ら超ダセーとか付け加えて言ってやると、
ヤンキー達は怒ったのか顔を歪める。
「お前も邪魔するなら容赦しないぜ?」
「は?寝言は寝てから言えよ。お前ら如きにこの俺がやられるとでも?」
クスッと挑戦的に笑ってやると、益々頭にきたヤンキーは、
有利の頭を握る手に力を篭めた。待て待て!!
それ以上力を篭めてやるな!物凄く可哀想な事になるから…
「お前そんな事言ってると、シブヤちゃんの顔が水に浸っちゃうゼ?」
「いや、ダサいからやめろって。」
「まだ言うのか!?!?」
悪態を付かれた瞬間にゆーちゃんの顔と便器の水の距離が縮まった。
その事によりゆーちゃんが情けない悲鳴を上げる。
俺はそれが合図だったかのようにその場を蹴り、
ヤンキー達に強烈キックをお見舞いした。
どうだ!中学三年間トップエースだったサッカー部員の蹴りは!!!
ヤンキーは一発で伸びてしまい、ヤンキーAかBかしらないが、
有利の手を掴んでいた手が急に緩み、便器と顔の距離が零になってしまった。
バシャンという水音が女子トイレに木霊した。
…すまないゆーちゃん…これは助けたと言えるのか…
俺は慌ててゆーちゃんの顔を引き上げてやろうと後ろを振り返った。
所がどうであろう?何だこの光景は????
ゆーちゃんの身体半分がトイレに吸い込まれている…
最新式のトイレは吸引力がとても素晴らしいことで…
「って、そんな筈ねぇじゃん!!!!」
俺の呑気な脳もこれはおかしいと察知し、
ゆーちゃんを便器から救出するべく引っ張る。
だがしかし…抜けない!!!渾身の力を篭めていると言うのに…
抜けないとはどう言う事ですかーっ!?近代のトイレ恐るべし!!!
「有利!!今助けてやるかっ…ら?」
俺はついうっかりと脚を滑らせてしまった。
今まで俺が引っ張っていた力が無くなったせいか、凄い勢いで吸い込まれる。
便器に吸い込まれるのは嫌だったが、ゆーちゃんの足は決して離さなかった。
俺は今までの抵抗も虚しく、ゆーちゃんと共に便器に吸い込まれてしまった。
吸い込まれて暫く、物凄く異様な感じが俺の身を纏った。
最初はゆーちゃんもジタバタと暴れていたが、今は気を失ったらしい。
そんなゆーちゃんの頭を俺の胸に抱え込み、
決して離れないように強く包み込んだ。
+++++
と言う事なのだが、今俺は緑広がる丘の上に居た。
そこはアルプスの少女ハイジを思わせる様な、本当に自然な所だった。
でも俺はさっき便器に吸い込まれた。なのに、何故こんな所にいるのだろう?
そんな疑問を抱えたがある事を思い出した。
そう、俺はゆーちゃんと共に居た。
ハッと気づいた俺は胸に収まるゆーちゃんを見た。
よかった、少し気を失っていたから腕の中に居なかったらと少し焦った。
そんな焦りをよそにゆーちゃんは起きる気配がない。
少々ムッとした俺はゆーちゃんの頬をペシペシとビンタしてやった。
すると少し不機嫌そうな声を漏らし薄っすらと瞳を開いた。
「ゆーちゃん、大丈夫か?」
「ほっぺが痛い。」
「そうだろうな、俺が叩いてやった。」
「ひっで…って…アルプス?」
やはりこの場の第一印象はアルプスのようだ。
それも当たり前だ、少し遠くに目線をやると羊がゆったりと歩いている。
家も石造りで何ともメルヘンチックっつうか…
「それよりゆーちゃん、少し大変なんだよ。」
「何が?」
この状況で何を呑気なことを言っているのかと俺は溜息をついた。
俺達は今囲まれている。
アルプスがどうとか言う前に、鎌や鍬を持った人々にね…
「テーマパーク?」
嗚呼…何処まで呑気なんだ?俺も相当だがゆーちゃんも相当のようだ。
しかもねぇ…この人たち“魔族”とかさっきから変な事言ってるしねぇ…
凄い殺気で俺ら睨んでますしね…もうどうにでもして。
「ゆーちゃん…この状況を見て何を呑気な。どう見ても殺気だっておられるぞ。」
「あぁ、入園料払ってないから怒ってるんでしょ?凄いコスプレだな〜。」
ザ・天然!!流石俺が気に入るだけある!ゆーちゃんと居ると飽きないが…
こんな時にまで呑気に考えていられるお前に少し腹が立つ。
俺は自分の手で額を覆い盛大な溜息をついた。
そんな様子にゆーちゃんの頭の上にはハテナが浮かんでいる。
ゆーちゃんは必死になって殺気立つ人を相手に弁解をしている。
どうも言葉が通じていないのか相手の殺気は増す一向で、緊迫した空気が漂う。
そして一人の村人が俺達に向かって石を投げつけてきた。
「っ…有利!!!」
俺は自分に石が当たるのも構わずに、
ゆーちゃんに石が当たら無い様にと庇った。
庇ったはいいが、石が俺の米神にヒットしてそこから血が流れ出てきた。
「いって…」
「!!ちょ、お前何俺庇ってるんだよ。」
「有利に怪我をして欲しくない。良いから大人しく―っ」
「!!!!!」
ゆーちゃんが叫ぶと同時に誰かの力強い声が聞こえた。
その声は皆に止めろと命令している。
俺は顔を上げ、そいつの顔を見た。何かとても懐かしい顔だ。
俺はあいつの顔を知っている、そう、夢に出てくるやつの顔だ。
と言う事は…此処は俺がいつも見ている夢の中の世界なのか?
そう考えているとそいつは、俺達に近づき、そして片膝をついた。
「…あの…みなさんを宥めてくれて、マジでありがとうござい…」
ゆーちゃんがそこまで言うと、
そいつの手が伸びてきてゆーちゃんの頭をぐっと掴んだ。
俺は咄嗟にそいつの手をゆーちゃんから払いのけ、
俺はゆーちゃんを庇いそいつを睨んだ。
「有利に何をする!」
冷やかに言い放つとそいつは少し目を見開いていて、驚いている様子だ。
「何だ、お前は言葉が通じるのか?」
「何を訳の分からない事を言っている!!」
「いいからそいつを渡せ。」
すると、そいつは俺の鳩尾に拳を決め込みやがった。
見た目に反しないその力強い拳に俺は地面に突っ伏した。
ゆーちゃんはそんな俺の姿を見て悲痛な声をあげた。
後書き
ビバ中途半端!!!でも、漫画とか小説と買っていいところで終わるしね…
だから許してくださいね♪
さて話は変わりますが、俺も㋮のつく異界人!原作沿いとオリジナルを行き来します。
確かそういう話を全然していなかったので…お知らせしておかねばと…
テストが終わったらイメージ図描きたいな〜なんて思いますv多分テスト中に描くけど…
美少年…つり目がいいなぁ〜そのくせ…まぁ後々分かりますね♪それでは〜
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