明けましておめでとう御座います





今年も一年





君にとって素敵な一年になるといいですね




















一年に一度のその一瞬

















俺は気持ちよく、温かい布団の中で眠っていた。
それは勿論俺の家で、俺のベッドの上だ。
なのに、何故こいつ、六道骸は俺の部屋に居て、
俺を起こしているんだろうか?


、起きて下さい。」


起きてと身体を揺さぶられても起きる気になれない。
だって、外はまだ真っ暗で、太陽さえ出ていない。
こんな深夜に部屋に侵入してくるのさえ、常識外れなのに。
その上起きろだなんて…まだ眠い。


「やだ、まだ寝る。」

「そんな事言わずに、ね。」


そう言うと半ば無理やり骸は、暖かい布団を捲った。
寒い…寒いよ…布団さんカムバーック!!
ブルッと身震いをしていると、パサっと頭に何かがかかった。
俺は眠い目を擦り、それを見ると、トレーナーだった。
そしてジャンパーもその上に乗っかっていた。


何故こんな服を渡されるんだろう?
今から外に出るのか?そんな馬鹿な…


「ねぇ、何これ?」

「何って、服ですよ。馬鹿ですか?」

「…それ位分かってるよ。俺が言いたいのは…」

「はぁ、つべこべ言わずに着替えて下さい。何なら僕が手伝ってあげますが?」

「結構です。」


何で俺が呆れられなきゃいけないんだよ。
常識外れな事をしているのは骸なのに…理不尽だ。
いいよ、何時だって何も言わずに決まってるんだから。
今回だって、急に思いだって、勝手に決めたんだろう。
俺は何時だってついて行くしかないんだから。


俺が着替え終わると、骸は嬉しそうに俺の手を引き、
外へと飛び出した。やっぱ寒ぃ…眠気も一気に覚めるよ。
俺は骸に手を引かれるまま、その方向へと歩いていった。
繋いだ手だけがポカポカと暖かかった。





+++++





暫らく歩いて辿り着いたのは、明るければ水平線が見えるであろう海だ。
外に居るだけで寒いというのに、海辺に来るともっと寒い。
本当に骸の考えている事が分からない。未だ嬉しそうにしてるし。
一体何がそんなに嬉しいと言うのであろうか?俺にはさっぱりだ。


「なぁ、寒い。」

「冬ですからね。」

「知ってる。ねぇ、暖めてよ。」

「仕方ありませんね。」


仕方ないんじゃない。こんな時間に外に連れ出したんだから当たり前のご奉仕。
骸は自分が着ているコートのボタンを全開にし、その裾を握り締めると、
すっぽり俺の身体を包んでくれた。骸の温もりと、コートの暖かさが気持ちいい。
俺たちは暫らくそのままの姿で、呆然とただ海を見つめていた。





すると水平線が薄っすらと明るくなって、太陽がひょっこりと頭を出した。
今まで闇しかなかった寂しい海に色が着いた。
その色はとても綺麗で、ちょっと眩しかったけど、感動した。
日の出なんて見るの初めてだし…ん?日の出?今日って…


「骸…もしかして…」

「初日の出、一緒に見たかったんですよ。」

「そっか…ありがとな。綺麗だよ。」

「そうですね。」


その自然の美に見とれていると、太陽は完全に姿を現した。
何か、今年はいい事がありそうな予感だな。
ちょっと、いい気分になったな、本当骸に感謝しなきゃいけないな。


「さて、初日の出も見れましたし、帰りましょうか。」

「そうだな。」

。」

「何―」


名前を呼ばれて振り向くと、唇を奪われてしまった。
でも、優しい、触れるだけのキスだった。
少しの間重なっていた唇は、ちょっと寂しそうに離れていった。
そして、合ってしまった目を逸らす事が出来ず、俺は赤面した。
だって行き成りだったし…その顔を見て骸は満足そうに言った。


「僕からのお年玉ですよ。」

「…っ…要らねぇ。」


前言撤回。きっといい事は無いよ。だって…
今年も骸に振り回される、波瀾万丈な一年になりそうな予感だから。





後書き

明けましておめでとう御座います。皆様お餅食べすぎておりませんか?
昨年は仮閉鎖したり、新装オープンしたりと色々ご迷惑お掛けしました。
ラストには入院するという破目に…本当申し訳なかったです。
今年もきっとご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願い致しますね。

皆様への感謝の気持ちを込めて2007年1月2日
素材:10minutes+