別に好きとかそう言うのじゃなくって
唯単に一緒に居たかっただけなんだ
飛び立った鳥達
薄暗くて誇りっぽい空虚。
物はあるが、殆どが壊れていて使えない。
人だって滅多に来ないだろう黒曜センター。
此処は何年も前に潰れてしまって、
今では不良達の良い溜まり場となっている。
俺は集団行動があまり好きではない。
人に気を使わないといけないのが好かない。
一人で自由気ままに行動してる方がいい。
今日もそんなこんなで一人で黒曜センターへやって来た。
正直薄気味悪い所だが、何をしても良いわけで。
煙草なんて別に何処でだって吸えるが、大人に見つかると面倒だ。
煙草、酒は二十歳になってからだと煩くて仕方が無い。
俺はガミガミ言われるのは好きじゃない。
法律や決まりごと、ルールそんなのどうだっていい。
俺は俺の生きたいように生きたい。
つまりは自由が好きなんだ。
煙草の悪い煙を肺に溜め込み、煙を吐き出した。
どうしてこんなにスカッとするものが身体に悪いんだろうか。
モヤモヤとかイライラとかが嘘のように消えていくのに。
俺も…この世界から消えてしまいたかったのかも知れない。
この煙草の煙の様に消えてしまいたい。
だってこの世界はこんなにも面白みが無くて、
現実感がないんだ。何もかも白黒で楽しくない。
「フゥー…つまんねぇー。」
「何がそんなにつまらないのですか?」
俺は一人呟いた。だが、予想もしない事に返事が返ってきた。
返事の帰ってきた方を見るに、南国のフルーツを思わせる頭…
基髪型をした奴がコツコツと靴を鳴らして歩いてきた。
なんか胡散臭い笑顔を貼り付けてやがる。
コイツも俺と同じでこの世界に飽きてしまったのだろうか?
「生きる事…だよ。お前もだろ?」
「クフフ。面白い事を言いますね。僕はつまらなくなどありませんよ。」
「嘘つけ。」
「侵害ですね。嘘なんてつきませんよ。」
「胡散臭ぇー。」
何でだろう…普通に話をしているだけなのに…
さっきまで白黒だった世界に急に色がついた。
それは鮮やかで、血の様に美しかった。身震いがする。
何だろう…何がこんなに俺を興奮させているんだろう?
…コイツ…なのか?始めて会ったというのに…
コレが俗に言う“運命の出会い”なのだろうか??
馬鹿馬鹿しい。
「なぁ…お前何もん?お前は俺を変えてくれるのかなぁ?」
「何を急に。今会ったばかりでしょう。」
「あぁ…でも…お前と喋ってから…世界に色が付いた。」
「おや?今まで色がなかったんですか?」
「…おかしいか?」
「いえ。」
微妙な会話だ。コイツ俺が言ってること分かってるんだろうか?
分かってるから話せてるんだよな。まぁいい。
俺…コイツと一緒に居たいかもしれない。だって、
コイツはこんなにも綺麗で、魅入られてしまう。
全てを変えてしまえるような…そんな感じ。
「なぁ…俺お前の事気に入った。」
「それは光栄です。」
「一緒に居ても構わないか?」
「えぇ、一向に構いませんよ。唯…」
「唯?」
「世界が変わりますよ?」
「あぁ、構わない。俺を連れ出してくれ。」
「分かりました。お名前は?」
「…」
「では、僕と共に行きましょうか。」
「あぁ。」
止まり木を失った鳥達は、目的地を目指し旅立っていった。
運命が変わる事を恐れずに…
死ぬ事をも恐れずに…
アデヤカニ…